現在、空室対策や人口増加促進の為に、各々の自治体で助成制度により様々な補助金が給付されております。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、中には助成制度を全くご存じない方や、申請・審査の手間を考え利用されない方のほう多いのではないかと考えます。特に地方の市区町村では少子化・人口減少対策課等を設立し、積極的に住まいに関しての助成事業に取り組む自治体もございます。内容としては家賃補助が多いです。
国土交通省で取りまとめた制度の一覧等はなく、自ら直接各自治体に問い合わせるしかありません。
一部の団体が独自に情報収集を行い、一覧にして分かりやすくまとめている団体などもございますが、詳細までは記載されてないことが多いです。
例えば、
このように、制度はたくさんあります。
地方だけでなく、都内にも助成制度を取り入れている自治体もあります。
それぞれの自治体色があり、調べてみると面白いです。所有する物件の所在する市区町村のこういった助成制度を知り、空室募集の際にプラスαの資料として発信することにより、物件を選ぶメリットが増えるのではないかと考えます。
オーナー様にとっては所有する物件のアピールポイントが増え、賃借人様には物件を選択できる幅を広げることが出来るからです。
空室を探し購入したり、助成制度をうまく活用した収益物件の運用は、ご自身で管理されている場合はインターネットの情報だけでなく、情報交換の場に多く足を運んだり最新の情報を集め日々多くの現場の経験談に触れる環境があることや、担当の不動産業者様との情報共有が密にできていることが必要だと私は考えます。
またリフォームや、建て替え等の助成制度に目を向けると、省エネ関連やサービス付高齢者向け住宅等のテーマがあったり、自己居住物件が対象であったり、使用する商品や最低予算が細かく設定されているので、利用するには自由度が低く感じます。
目的やテーマがはっきり決まっている物件であれば、毎年申請期間があるので時期に合わせて、リフォーム計画を立ててみるのもおすすめです。申請予算を提出する際に3社以上の施工会社からお見積もりを集めたり、時間を要するので余裕をもって計画を立てることが必要です。
ここで私が注目した事業を一つご紹介致します。
墨田区役所の行っている『アパート空き部屋改修補助事業(民間木造住宅改修支援事業)』です。
こちらの事業は民間賃貸住宅物件の空き住み戸や共用部分をバリアフリー化等にする為に要する経費の一部を補助していただける内容になっております。
区役所としては、バリアフリー化した住宅を高齢者(60歳以上)の安全かつ安心な居住環境の確保を支援し、高齢者向け住宅の供給を促進することを目的としています。ですので改修後3カ月は高齢者世帯限定での賃貸募集をしなくてはなりません。
ただ3ヶ月以上経っても入居者が決まらない場合は、全世帯対象に賃貸募集することが出来ます。
多くの助成制度では賃貸物件のオーナー様が同じ区役所内に住民票がなければいけなかったり、自らの住居部分のみ対象であったりします。こちらの事業はオーナー様がどちらにお住まいでも、自らの住居でなくても対象になるので比較的幅広く利用できそうです。
対象住宅、申請条件、申請に必要な書類、工事内容についていくつか細かい条件も記載します。下記の通りです。
・区内の木造賃貸住宅であること(改修後からでも可)
・2戸以上の賃貸住宅であること(改修後からでも可)
・改修工事後に1住戸以上の空きがあること
・改修工事後台所、便所、浴室あること
・工事契約を区内事業者と締結すること
・改修後は10年間賃貸住宅用に供すること(途中でオーナーチェンジがある場合引継ぐこと)
・オーナー様が住民税を滞納していないこと
・同一改修工事で国、東京都の別の補助等を受けていない、受ける予定のないこと
・区所定の申請書、改修工事計画書
・設計図の写し、工事見積書の写し
・土地及び建物の登記事項証明書
・法人登記事項証明書(法人の場合)
・前年度の住民税納税証明書
手続きの流れとしては、補助申請を提出してから1〜2週間程で区役所の現地調査・審査が終了します。
補助が決定したら工事契約・着手→工事完了→支払い→交付申請、登録申請の順序で進めていきます。
申請すると、履行確認の為現地調査が入ります。
ここまで終了したら交付決定が通知されるので、補助金を請求すると補助金が交付されます。
補助決定の通知から補助金交付までは平均して1ヶ月程の期間になるそうです。
現在墨田区役所では16戸がこの事業を利用して改修工事を行い登録台帳に登録されています。
国土交通省のデータによると持家、借家に関わらず住宅ストックと居住ニーズミスマッチが起きています。
高齢者は広すぎてしまう部屋の管理の大変さ、子育て世代は間取の使いにくさ等、物件の間取や広さに関しての不満が多いようです。
この現状のなか、空室対策や助成制度をうまく利用して活用できる物件にはどんどん取り入れていくことが出来れば、安く部屋を借りたり、費用を抑えて物件を使いやすくリフォームしたり、少しでも不満を軽減出来る可能性が増えるかもしれません。
更に地域の特色を知り参考資料として用意することができれば、これまで間取や広さの条件だけではじかれてしまっていた物件に対して、行ってみたい住んでみたいが増え、選んでいただきやすい物件に出来そうです。
こういった空室対策や助成制度を利用した空室募集や物件管理、どんなご相談もTOEMにお任せください。
丁寧にヒアリングさせていただき、よりよい環境になるようご提案致します。