新宿区の変遷と今

不動産購入の御検討にあたり、土地勘は無いけれど、よく聞く都市の名前だからいいのかも・・・と、御検討される方も多いのではないでしょうか?都市の名前は知っているけれど、実際のところ、どういった地域なのか?どれくらい需要のある地域なのか?これからの発展の可能性はあるのか?など、よくわからないという方も多いと思います。

今回は弊社で調べました、各都市の昨今の状況についてお伝えしたいと思います。今後の不動産購入にあたり、参考にして頂ければと思います。

人口に対する外国人の割合 9.9%

人口は、2022(R4).1時点で341,222人。そのうち外国人は33,907人。
2000年には、286,726人+54,496人。20年で19%も増加しました。

2015年の国勢調査では、
外国人人口が全国6位 (1位、大阪市 2位、横浜市 3位、名古屋市 4位、神戸市 5位、京都市)でした。
人口規模の大きい政府指定都市に続き6番目に多いです。
指定都市を除けば全国1位になります。

外国人人口の割合の高さで見ると市区町村全国4位です。 
外国人実習生や労総者が多く、人口規模の少ない長野県川上村などの町村に次ぐ第4位です。
人口・割合ともに上位10位以内にあるのは新宿区(6・4)と豊島区(10・5)のみ。

2015年の国勢調査では、年少人口割合(8.3%)は 23区の中で豊島区に次いで2番目に低く、全国より4.3%低い割合となりました。
一方で、生産年齢人口割合(71.2%)は23区の中で中央区・豊島区い次いで3番目に高く、全国より10.9%高くなっています。
老齢人口(20.1%)は 23区の中で17番目。
新宿区の人口の年齢構成は特別区部や全国と比べて年少人口割合が低く、老年人口も若干低い一方で、生産年齢人口、特に若年人口(20〜34歳)の割合が非常に高いです。

歴史 江戸から明治へ

“新宿”としての歴史が開かれたのは、江戸時代甲州街道の宿場町として発展したことにあり、
“新しい宿”という意味から今の”新宿”となったと言われています。

角筈村(つのはずむら)という農村が大部分を占めていた西新宿近辺。大きな変化をもたらしたのが新宿駅の開業です。
明治に入ると近隣駅の開業や、路線の延長、私鉄の開通など次々と鉄道事業が拡大されました。
それまで行き来の難しかった東京・品川などの巨大ターミナルへもアクセスが容易となりました。
ここから新宿駅西口エリアの歴史的な進歩が始まったのです。

その進歩のひとつが、1898年淀橋(よどばし)浄水場の開業です。東京の水道発祥の地として沢山の地域を支えてきました。
日本の上水道機能として歴史的な変化であり、初めて”近代水道”というものが誕生したのです。
淀橋とは神田川にかかる橋のことでヨドバシカメラの創業地としても知られています(1947年に淀橋区、四谷区、牛込区の3区合併により誕生したのが新宿区)。1965年に浄水場が廃止されるまでは、現在のエルタワーの場所に位置していました。

その後、さらに新宿が発展する事となった大きなきっかけが…。1923年関東大震災です。
銀座や浅草など東京を代表する繁華街が全滅し、都心から多くの人が離れました。
そこで目を付けられたのが、地盤の強い武蔵野台地の東端に位置する新宿エリアです。

震災時に被害が少なかったことや東京駅からのアクセスの良さなどから、東京の中核を担うターミナルとして渋谷・池袋などとともに歴史的発展が進みました。徐々に都心機能を回復させていった新宿エリアは、再び人口が集まり経済状況も良くなりました。

その反面、急激な人口の増加とともに引き起こされた交通網の麻痺、賃貸オフィスやテナントの不足など様々な面での都市機能の低下が問題になりました。そこで、淀橋浄水場跡地の再開発「新宿副都心計画」が実行されました。
京王プラザホテルを皮切りに住友ビル、三井ビル、東京都庁…と200mを超す超高層ビルが次々に建設され、摩天楼のような街へと生まれ変わりました。

このような超高層ビルの建設が次々と行われた背景に1963年の建築基準法改正があります。

 

1963年 建築基準法 改正

それまでは絶対高さ制限により建築物の高さは31mまでに制限されており、日本には高層建築がありませんでした。
(技術的な問題でない。当時高度利用建築物は旧丸ビルの31m)

しかし改正により”絶対高さ制限”が撤廃され、地域ごとに容積を規定する“容積地区制”が導入されました。
これにより特定の地域ではビルを高層化することが可能となり、1968年に霞が関ビル(高さ147m)がこの制度初の適用となり建築されました。それに続いて、淀橋浄水場跡地を中心とした新宿副都心地域にて街区造成、街路・公園の整備の他 甲州街道・青梅街道・十二社通りの拡幅などが実施されました。
造成した用地は11街区に分けられ1966年より順次入札・売却されました。

西新宿地区では上記容積地区制で1000%の容積率が認められると、京王プラザホテル(179m、47F建て)、新宿野村ビル(209m、50F建て)、新宿センタービル(223m、54F建て)等のオフィスビルが続々と建設をしていき、賃貸オフィスの供給地としての重要な地位を獲得していきました。その後訪れたバブル経済によって西新宿の街は一変し、”都会の街”としての変貌を遂げたのです。
そして最後まで着工されず残っていた3街区に1990年(H2)東京都庁舎が建設されたことにより現在の西新宿の姿が出来上がりました。

バブル期には急激な発展を遂げた西新宿ですが、バブル崩壊とともに低迷期へ入ります。
そこへ光が差し込んだのが西新宿の再開発です。
国内で行われた再開発で最も大きい規模と言われています。
その始まりとなったのが1994年の新宿パークタワー建設です。

“新宿新都心”とも呼ばれる西新宿の超高層ビル街にそびえ立つビルで、地上52F、B5F、高さ235mのオフィス、ホテル(パークハイアット東京)、ショールームなどが入ります。
その翌年1995年新宿アイランドタワー建設。地上44F、B4F、高さ189mのオフィス、テナント、コンドミニアムやレジデンスなど。
さらに1996年丸ノ内線新宿駅の開業1997年都庁前駅・西新宿5丁目駅の開業とアクセス面でも向上していきました。
その後2000年以降の再開発も続き、旧朝日生命本社跡地に建てられた、モード学園コクーンタワーは西新宿のランドマークとも言える存在になったのです。

バスタ新宿の開業←住所は渋谷区千駄ヶ谷5丁目。
(国道20号より南側は渋谷区となる)新宿駅西口周辺に分散していた19箇所の高速バス乗降場を集約し、国道20号跨線橋上の客待ちタクシー行列による混雑、鉄道などの交通機関との接続利便性不足等の課題を解決するため、国土交通省関東地方整備局が事業主体として「新宿駅南口地区基盤整備事業」として施工。
老朽化した跨線橋の架け替えに合わせて線路上空を活用した、官民連携による バスタ新宿を整備し、2016年(H28)4月に開業しました。
それにより、分散していた19箇所の高速バス乗降場を南口に集約し、一番遠かった新宿中央公園付近バス停からJR新宿駅までの乗換時間が13分も短縮されました。
2016年の開業時点で、118社のバス事業者の乗り入れ、1日最大1625便の発着、15の停車場数、39都府県300都市に及ぶ行先で、日本最大規模の高速バスターミナルとなった。

JRの線路から上の2-4階部分が交通ターミナルとなっており、2階には、バスタ新宿出入口、国道20号接続部分、JR新宿駅、新南・甲州街道・ミライナタワー改札がありました。
3階には、タクシー乗降場、新宿区コミュニティバス「WEバス」乗降場、高速バス降車場、観光センターがあり、4階新宿高速バスターミナル 乗降場、待合所、発券施設、管制室、コンビニ等が所在しています。
5-7階にはJR新宿ミライナタワーの文化施設部分が建てられイベントホール、保育園、レストラン、屋上庭園などがあります。
隣接するJR新宿ミライナタワー(NEWoMan)も2016年3月に完成、4月開業しました。

 

新宿 再開発

東京都では現在、2040年代の東京が目指すべき都市像とその実現に向けた道筋の検討を進めています。
その中で新宿は、これまでの「副都心」という業務機能を重視した視点から脱却し、
「地域の個性やポテンシャルを最大限に発揮し、新たな価値を創造する拠点として再編することが重要」と位置づけられています。

2016.3 「新宿駅周辺地域まちづくりガイドライン」を策定
各地区ごとの特色ある取組を包含し、地元と連携した地域全体のまちづくりを行う。

2020.7.19 JR新宿駅構内の東西自由通路開通
全長約100m、幅員25m
それまでは地上の大ガードか地下通路しかなかったが、
平成24(2008)年9月の着手から8年という月日を経て、改札直結の自由通路化に。
さらに令和5(2023)年頃までに改札内通路の整備・改札階・ホーム階をつなぐ
既存階段の撤去・新設等改札周辺の利便性向上を図る。

上記駅構内整備も含めて“新宿グランドターミナル構想”が進んでいます。

旧約350万人の乗降者数を誇る世界一のターミナルJR新宿駅。駅を中心に、2046年頃を目途として 東西に260m級の超高層ビルとJR駅上空広場、などのオフィスビル、商業複合施設・広場や通路などの建設が進んでいます。再開発の理由に、1960年代〜新宿の超高層ビル建築が進み、周辺建物は老朽化が進んでいること。また、駅の構造によって、街が東西に分離しており、人の移動は地下に集中している。これに駅構内の複雑さも相まって混雑しやすく、周辺に人の滞留できる空間も不足していることが挙げられます。
そのため、超高層ビル群の建て替えや、駅構内だけでなく上空デッキや広場の整備も整うことが予想されます。

小田急百貨店・新宿ミロード建替え

高さ260m(都庁は243m) 地上48FB5F、延床281.700u (容積率1600%)
2029年度 竣工予定
中・低層部 商業施設 高層部 ハイグレードなオフィス

14F〜高層階:オフィス
9〜14F:スカイコリドー
12〜13F:ビジネス創発機能
B1〜11F:商業施設
B1〜1F:交通広場 新宿セントラルプラザの整備 地下・地上、線路上空にデッキ広場
・小田急線新宿駅・東京メトロ丸ノ内線改札
  B2〜B3F:駐車場
《 ・小田急電鉄 ・東京地下鉄(メトロ) 》

 

西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業

2029年度 竣工予定 超高層ツインタワーマンション
北棟 地上65F、B2F・高さ235m、1650戸
南棟 地上65F、B2F・高さ235m、1550戸
その他街区に駐車場、店舗、生活支援施設等
《 ・野村不動産 ・住友商事 ・東京建物 ・首都圏不燃建築公社 》
都庁前駅、初台駅至近のエリアで、
上記2棟は 東京オペラシティと新宿パークタワーの間に出現することに。

ルミネエスト新宿 建て替え構想

2040年代までに 高さ260mの超高層ビルへの建て替え構想を発表。
2029年度予定のグランドターミナルの目玉・小田急百貨店建替えに合わせ、ツインタワー的な景観を形成する。
商業施設やホテルなどの観光機能や駅直結のオフィス等を検討中。

歌舞伎町エリア
新宿東宝ビル

2015.4 完成 ゴジラがいることで話題となった。
映画館(TOHO)、ホテル、アミューズメント施設 他
地上30F、B1F、高さ130m
新宿コマ劇場・新宿東宝会館の跡地。

アパホテル新宿歌舞伎町タワー

2015.9 完成 地上28F、B1F、高さ90m 客室620室

東急歌舞伎町タワー

2023.1 竣工予定 新宿TOKYU MILANO 跡地を中心に
映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設、ホテル他
地上48F、B5F、高さ225m
17〜47Fがホテルで2つのブランドが入る予定。
39〜47F:ラグジュアリーホテル。地上170m以上。上層3フロアはペイントハウス5室。室数92+5で97室。 
20〜38F:ライフスタイルホテル。全538室。東急ホテルズが運営。

西新宿五丁目北地区

新宿駅 北西約1.2kmの西新宿・中野坂上・西新宿五丁目駅近辺の2.4ha

  1. 地上35F、地下2F、高さ159m
  2. 地上35F、B2F、高さ131m 

2022.10 竣工予定 住宅・オフィス・店舗

西新宿五丁目中央南地区

2023年度 地上43F、高さ160m
住宅・店舗・オフィス・保育所 等

明治安田生命ビル 等 建て替え (西新宿一丁目地区プロジェクト)

2025年度 地上23F 高さ130m
オフィス・商業施設等

過去・現在・未来 まだまだ新宿の開発計画は終わらず
2060年頃までは大規模で進行していく…?

 

執筆   瀧原 朋子

 

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