消防設備点検とは、消火器具や避難器具などの消防設備が「設備基準に基づき設置されているか」「正常に機能するか」を確認する点検のことです。
消防法で定められ、建物の所有者・管理者・占有者が定期的に点検を実施し、結果を管轄消防署に提出することが義務付けられています。
点検の種類には主に「機器点検」と「総合点検」があります。
機器点検は6ヵ月毎に行われます。
消防用設備等の適切な配置、損傷等の有無、その他外観から判別できる機能・事項について簡便な操作、もしくは外観から確認します。
総合点検は1年毎に行われます。
機器点検に加え、設備の全部もしくは一部を作動又は使用することにより総合的な機能を確認します。
⇒ 点検は3年毎に消防長または消防署長に報告をしなければなりません。
報告を怠ると30万円以下の罰金、又は拘留に処せられます。また報告を怠った場合、火災保険はおりません。
消防設備点検は消防設備の設置が義務付けられているすべての建物・施設が対象です。 消防法 第17条3-3において消防設備の設置が義務付けられている建物の関係者は半年に一度の点検が必須となっており、消防長または消防署長に報告しなければなりません。
しかし、点検実施報告率は全国平均49.8%と約半数以下です。(2018年 総務省消防庁発表) 普段は使用する機会がないため、経年劣化や故障に気付きにくいものではありますが、いざというときに正常に作動しないと人命に関わる大きな被害に繋がる恐れもあります。 そうした事態を防ぐため、定期的な設備の点検を行うのが消防設備点検なのです。
消防設備点検の対象となる建物は2種類あります。
● 特定防火対象物
● 非特定防火対象物
特定防火対象物とは、利用する個人が定まっておらず、不特定多数の人が出入りする建物として政令で定められているものです。
火災発生時の避難が困難で、人命に甚大な被害を出す恐れがある為、各種福祉施設や病院等も特定防火対象物に該当します。 建物の面積によって必要となる消防用設備等の条件が厳しく定められている他、 6ヵ月毎の消防設備点検、毎年の報告義務等、火災予防の為の厳しい措置や規制が敷かれています。
⇒ 幼稚園・カラオケボックス・飲食店・物販店・地下街・建築物の地階・劇場・映画館・旅館・ホテル・非特定防火対象物とは、工場や学校、共同住宅のように、特定の人が出入りする建物と規定されているものです。
駐車場や神社・寺院のような建物も非特定防火対象物に含まれ、特定防火対象物と同様、6ヵ月毎に消防設備点検を行い、3年に1度報告書の提出義務があります。
⇒ 共同住宅・事務所・学校・図書館・博物館・公衆浴場・駐車場・倉庫・駅・空港・神社・寺院・
消防設備点検は以下のものを点検の対象物としています。
消防法は、「火災を予防し、警戒しおよび鎮圧し、国民の生命、身体および財産を火災から保護するとともに、
火災または地震等の災害に因る被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、
もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」を目的とし、作られた法律です。
共同住宅(5)項ロ:
2階以上の階、又は地階の収容人員が30人以上
※1つで収容100人まで。100人増す毎に1つ増
消防設備点検の費用は、延床面積の広さによって異なります。 ⇒ 般的な費用の目安です。
(延床) | (共同住宅) |
〜300m2 300〜1000m2 1000〜2000m2 |
10,000円 15,000円 25,000円 |
(延床) | (共同住宅) |
〜300m2 300〜1000m2 1000〜2000m2 |
10,000円 15,000円 25,000円 |
(延床) | (共同住宅) |
〜300m2 300〜1000m2 1000〜2000m2 |
10,000円 15,000円 25,000円 |
(延床) | (共同住宅) |
〜300m2 300〜1000m2 1000〜2000m2 |
10,000円 15,000円 25,000円 |
・オフィスビル (6F/1000m2〜)
総合点検:35,000円〜
機器点検:35,000円〜
・アパート (3F/〜300m2)
総合点検:10,000円〜
機器点検:10,000円〜
・マンション (5F/1000m2〜)
総合点検:25,000円〜
機器点検:25,000円〜
執筆 田母神 裕也